「胸の泉に」塔 和子

かかわらなければ

この愛しさを知るすべはなかった

この親しさは湧かなかった

この大らかな依存の安らいは得られなかった

この甘い思いや

さびしい思いも知らなかった

人はかかわることからさまざまな思いを知る

子は親とかかわり

親は子とかかわることによって

恋も友情も

かかわることから始まって

かかわったが故に起こる

幸や不幸を

積み重ねて大きくなり

くり返すことで磨かれ

そして人は

人の間で思いを削り思いをふくらませ

生を綴る

ああ

何億の人がいようとも

かかわらなければ路傍の人

私の胸の泉に

枯れ葉いちまいも

落としてはくれない


結遊館では、それぞれの家庭で育ったこどもたちが一緒に寝起きし、共食し、喧嘩し、泣いて、わめいて、それでも折り合いをつけて暮らしてゆきます。管理人とも気が合わずそっぽを向くときもあります。でも、北川小学校の校誌「いしだて」には、「本当に感謝」という文字。その時はわかりあえなくても・・・。ひととかかわることからはじまることを、結遊館を巣立ったこどもたちから教えてもらいました。